July 14, 2009

90年代のネットは、ひと言で言えば「解放区」だった。会社などでは上司がネットのことをよくわからず、若い社員が好き勝手にやれる解放区だった。
 ネット・ベンチャーの隆盛もこうした流れの延長にあった。ネット・ベンチャーたちは、長髪や金髪で背広やネクタイもつけず、どこでも遠慮会釈なく入っていった。これからの時代はこういったものだと自信満々で、パソコンを駆使してプレゼンし、頭の固い人々を煙に巻き、「時代に遅れてはならない」という「大人たち」の不安感を逆手にとってビジネスを拡大していった。
 こうした流れの象徴がライブドアだった。
 世の中は「失われた時代」が続き景気は悪かったが、硬直した世の中をぶち壊す可能性がネットにはあった。就職に行き詰まった学生なども、現実に可能かどうかはともかく、「ネットで一旗あげる」希望が残されていた。六本木ヒルズは、そうした「夢のお城」でもあった。

 しかし、こうした「ネット・ベンチャーの時代」は、05年暮れのライブドア事件によって粉砕されてしまった。もちろんこれからもネット・ベンチャーは次々と現われはするだろうが、もうかつてのような熱い思いをこめて見られることはないかもしれない。
 かわって訪れたのは、ネットの時代史という側面から見れば、「失望の時代」のようだ。
 過剰なまでの期待を持って見られていたネット・ベンチャーの時代が過ぎ去ったということだけではなくて、「ウェブは貧乏人とヒマ人の集まりだ」という苦い認識を持った失望の時代が始まった。